憐れみのあろうはずがない
みんなが我らのように幸福だったら
慈悲のあろうはずはない
そしてお互いの恐怖が平和をもたらし
それでいよいよ自己愛がつのる
それから残虐が罠をしかけ
注意深くおとりの餌を広げる
残虐は聖なる恐怖をもって坐り
涙で地面に水をやる
すると謙遜が根付く
彼の足元で
やがて神秘の暗い影が
残虐の頭上に広がる
そして毛虫と蠅が
神秘を常食とする
そしてそれは欺瞞という実を結ぶ
赤らんで食べると美味いのを
そして大鴉が巣を作った
その最も深い茂みのなかに
地と海の神々は
自然界にこの木を見つけようとした
だが彼らの探求は全て無駄であった
それは人間の頭脳の中に生えている
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